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2016年 03月 31日
「従軍慰安婦」「南京虐殺」とともに歴史改竄にさらされる「731部隊」

d0164519_07212994.jpg明治維新以後に日本がアジア諸国で犯した暴虐はたくさんあります。負の歴史を出来れば国民は見たくありませんし、政府は積極的に隠そうとします。とりわけその中でも「従軍慰安婦」「南京虐殺」とともに、無かった事にしたい歴史が「731部隊」です。先日も、731部隊の被害関係者が日本での集会に出席するために上海に集まったのですが、入国ビザが理由を開示されないまま発給されず、裁判が起きています。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/293310 会員以外でも3分間のハイライト動画は見られます。


ベトナム戦争に反対していた頃、化学兵器・生物兵器の問題からだったでしょうか、731部隊の事はうすうす知っていました。その後、調査でよく利用した千葉県の宿舎の管理人が731部隊の生き残りと知り、遠い地の昔の話ではない事を感じます。森村誠一著「悪魔の飽食」が出て、人体実験の事が広く知られる前の事です。部隊長である石井軍医中将は千葉県の出身で、秘密保持のために必要だったのでしょう、故郷から多くの人を部隊のスタッフにしたと言われていて、管理人はその一人だったのかもしれません。。軽井沢の友人で子供の頃、731部隊の責任者 石井中将の家族を知っていて、戦後すぐに石井部隊長が占領軍将校相手に行っていた怪しげな旅館の話を聞いたこともあります。負の歴史を語りたがる人は少ないため気づかないままに過ごしていますが、特に調べて回ったわけでもなくても、ただ意識しているだけで案外身近に関係するものごとを見出します。


若いころ、母親の手術に必要な輸血を集めるために、親戚の何人かとブラッドバンク(ミドリ十字)に行ったことがありました。現在のように、日赤の献血ではなく、民間の血液銀行に出向いて「預血」するシステムと、「売血」によって輸血用血液が供給されていました。売血で集められた血液は、「黄色い血」と呼ばれ、血を売って暮らしている人の血は採りすぎでうすい上に肝炎の危険が高いものでした。ミドリ十字は、731部隊の重要メンバーであった内藤良一軍医中佐らによって作られ、国策で行われた売血制度によって利益を得て成長した企業です。暴力団が絡んでいたり、肝炎対策がなされていなかったために多くの被害者を生みますが、1964年にライシャワー大使刺傷事件が起きるまで改善の動きは大きくなりませんでした。65年頃、高校の生徒会で行った「日赤の献血」協力が、私にとって最初の社会運動でした。ミドリ十字はその後も血液製剤を作り続けて、薬害エイズ事件を引き起こします。信州沖縄塾の創立にともにかかわったメンバーの一人も、その被害者でした。


「悪魔の飽食」が出版された当時も、負の歴史を修正しようとする勢力からバッシングが起きました。歴史を改竄しようとする動きは、戦争を出来る国にする動きと連動しています。教科書問題で日本会議や文科省に見られるような中央の大きな動きばかりではなく、身近なところでも被害を受けた国の人々から負の歴史を指摘されたくないという気持ちが、嫌韓嫌中意識になって、猛々しい対立感情に結びつきます。軽井沢の歴史同好会に加わっていますが、歴史愛好者の間でもその傾向は強く、アジア侵略は西洋列強の植民地支配から脱するために必要だったという言葉が出てきます。中国の進出に対抗する軍事同盟必要論につながっていきます。


歴史を改竄したいという気持ちは、自分や自国の罪を認めたくないという情緒的な反応に基づいていますので、歴史を装っていても事実を直視しません。しばらく議論すると感情的な反応だけが残ります。どこかできちんとその連鎖を断ち切らないと、さらに被害者を生み出す事につながります。憲法問題や大きな政治の流れの学習と並行して、身近な歴史の掘り起こしや我々の意識の検証が、言葉を磨き地域社会で説得力を持つためには不可欠です。

近年、多くの関連書籍が出ています。私が読んだのは「悪魔の飽食」以後は、ちょっと古いですが

常石敬一著 「七三一部隊  生物兵器犯罪の真実」

青木冨貴子著 「731」



by maystorm-j | 2016-03-31 07:27 | 社会
2016年 03月 27日
待ち望んでいた早春の草花
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「暑さ寒さも彼岸まで」と言うようですが、昼夜の長さがほぼ一緒、季節の中間日という割には昨朝の気温、氷点下8度。真ん中というより、ほとんど冬です。昼間の長さというものは、太陽のてっぺんがちらっと顔を出した時間から、最後のかけらが見えなくなるまでのようですので、春分の日は昼間の方が長いことになります。日が射している間は温かいのですが、朝夕は寒い。それでも、シジュウカラやヒガラは巣作りを始めているのか、苔をむしったり、元気に鳴き交わしています。2~3週間前は、夜になるとフクロウが鳴いていましたが、もう縄張りが決まって番ができ、卵を抱いているのかもしれません。夜の静けさを破る迫力のある低音は聞かれません。野鳥の写真を撮ろうと思っても、じっと待っているほど暇ではなく、季節感のある写真は草花になってしまいます。木の芽は確実に膨らんできてはいますが、写真ではそれが判りません。気長に待っていれば、そのうち突然コブシの白い花が冬枯れの林に咲き始めるでしょう。

まだ雪も残っています。日当りの良い道端で見つけた野の花2種と庭先のフクジュソウです。やっと咲いたちいさな野の花に敬意を表して、フクジュソウに負けないぐらい大きく引き延ばして並べました。それにしても両側の花の名前に較べると、真ん中の花の気の毒な事。種の形が似ているとはいえ、ほとんど名誉毀損のレベルです。

軽井沢に越して来たころ、標高の高い土地だけに野の花にも道端の花の中にも、名前を知らないものがありました。和名は知っていても、この土地ではどのように呼ばれているのかを知りたいものもあって、近所の人に名前を尋ねることがよくありました。たいていの場合かえってくる答えは「クサ!」。クサには違いないが、その草の名前は?と尋ねても、「クサはクサだに」。雑草には名前なんて要らないとばかり、吐き捨てるように「クサ!」 そのくせ、山菜となるとしっかり名前で呼ばれています。食えるか食えないかで、えらく待遇が違うのです。2週間も前から、まだXXは出ないか、OOは採れないか、うろうろ探しています。寒さと食糧難で厳しい時代を経て来たのでしょうか。春がいかに待ち遠しかったことかが偲ばれます。ちなみに、写真の3種は食べられそうもありません。

自然が豊かな土地に住む人間はおしなべて自然を愛しているにちがいないと思うのは、都会の人間の思い違いです。自然の猛威にさらされる事が少ない都会の人は、自然のありがたさだけを見ている事が出来ます。有り余っている自然、ほっておくと庭も畑も被い尽くす「クサ」。長い冬に耐えた後、農繁期が始まるまでの一瞬の春。都会とは異なる自然のサイクルの中に暮らして、環境に対して実利的になるのも頷けます。


by maystorm-j | 2016-03-27 07:49 | 自然
2016年 03月 24日
安倍首相の軍事戦略「セキュリティー・ダイヤモンド構想」            軽井沢9条の会ブログより転載

昨年の安保法制反対運動では、法制の内容や実際にどのように使われるのかという問題が国会で議論されました。しかし、国会前の反対運動ではむしろ、法案の根底にある集団自衛権の違憲性と非民主主義的手続きの問題が中心になりました。その事自体は立憲主義・法による統治を守る上でとても重要なことで、市民運動の中心課題になるのは当然ですが、一方では、安保法制が必要だ、集団自衛権で国民の安全を守らなければならないと考える人々に対する説得力のある論理を形成できなかったと思っています。


集団自衛権イコール日米同盟強化という視点でのみ語られていたと感じましたが、はたして日米関係だけがねらいなのでしょうか。アメリカの西太平洋軍事戦略を見ると、エアシーバトル構想にしても、オフショア・コントロールにしても、むしろ直接的な米中対決を避ける、あるいは限定的衝突におさえる方向と思われます。議会の政府答弁ではたえず、米軍と自衛隊の共同行動が強調されていましたが、米軍の手先論、肩代わり論、米国は日本を見捨てる論など、さまざまな想定が国会外では語られています。


アメリカと中国の軍事戦略が語られることが多いわりに、日本政府はどう考えているのかが見えていない気がします。もちろん在外邦人の救助のためにだけ安保法制が作られたはずはありません。はたして、安倍政権はどのような軍事戦略を持っているのか、あまり報道もされず、議論にもなっていませんが、安倍晋三氏が首相再任直前に書いたと思われる「セキュリティー・ダイアモンド構想」という論文があります。国内向けに語られた構想ではなく、原文は英文です。関係する諸外国に向けて書かれたメッセージと言えます。


http://ameblo.jp/et-eo/entry-11791992597.html (原文、和訳、動画が掲載されています)(このサイトを含めて、紹介しているのはほとんどが安倍構想を賞賛する側からの発信ですので、一部差別的な表現が含まれます。)


集団自衛権は日米同盟にとどまらず、中国封じ込めを目的に、韓国、フィリピン、ベトナム、オーストラリア、インドまでをも考えているということです。東アジア、東南アジア諸国には、日本軍の侵略・植民地政策の記憶が強く残っていて、日本との軍事同盟、自衛隊の進出に対する嫌悪感があります。同時に、東南アジアには中国の進出に対する警戒心も強く、国民感情と国防政策の間にジレンマがあると思われます。米軍が直接的関与を弱める方向を見て、地域軍事同盟の要望は高まるでしょう。既にフィリピンとは基地使用などの関係が進み、オーストラリアとは潜水艦製造など、関係強化が進んでいます。


こんな状況の中で、今年は天皇皇后のフィリピン訪問が行われました。戦争を反省し平和を願う親善強化と歓迎する論調が多いのですが、同時にフィリピン国民の中にある「日本軍」に対するアレルギー解消という副次的効果については語られていません。国内における発言と違い、外国での言動は、ご本人の意図とは別に、その及ぼす効果、結果を冷静に見る必要があります。


今後、出来ればこのサイトで、米中日の西太平洋軍事戦略の、過去から現在への変化を追ってみたいと思います。軍事を理解することによって、軍事によらない平和構築の方向性を考える一助にと願います。



by maystorm-j | 2016-03-24 04:15 | 社会
2016年 03月 18日
軽井沢町塩沢に移築された「浄月庵」   軽井沢9条の会ブログ投稿記事転載

安倍首相はかねてから日本国憲法を「みっともない憲法」と卑しめてきました。戦後すぐに占領軍によっd0164519_05484363.jpgて押し付けられたという点だけではなく、内容が「美しい日本」(強い日本)にふさわしくないと思っているようです。憲法の平和主義、9条の精神については、1946年1月24日、マッカーサーと会談した幣原喜重郎首相の方から提案されたと言われています。

 幣原喜重郎  以下、下線部分をクリックすると、当該サイトに移動します


敗戦から半年も経たないこの頃、日本側も占領軍も短期間に複雑な体制変革に取り組んでいましたので、憲法制定の経緯は丁寧な歴史発掘と解析を必要とします。押し付けられたからみっともないとか、日本側からの提案だったから良いと、単純に判断することは出来ません。新しい憲法が当時の国会で半年あまりの審議をへて、最終的には衆議院で圧倒的多数で議決されています。その間に、女性の参政権が認められた新しい選挙制度の下で、総選挙が行われ、国民の意思が国会に反影されるようになっています。制定後の国民の対応を見ても、ひじょうに高く支持された憲法の制定であったことは間違いなさそうです。嫌々押し付けられたものではありませんでした。

  国会図書館「日本国憲法の誕生」 


軽井沢町塩沢に移築された「浄月庵」をご存知と思います。町の観光案内などでは「有島武郎終焉の・・・」と紹介されています。作家が情死(心中自殺)した家が観光資源になるというのも、考えて見ればおかしな話です。憲法を考える人々の間では、ベアテ・シロタ・ゴードンさんの両親が、戦争中に住んでいた家ということで注目されています。ウクライナ出身の世界的なピアニストだった父親レオ・シロタさんは、戦前東京音楽学校(現東京芸大)でピアノを教えていて、46年春まで多くの外国人とともに軽井沢に移住させられていました。その家が、当時は三笠にあった浄月庵だったことを、軽井沢を訪れたベアテさんが証言しています。

 軽井沢高原文庫 

ベアテさんは、新しい憲法の占領軍側草案に「男女平等」を盛り込んだことで知られています。当時22歳の通訳だった女性が、憲法草案の策定にかかわったこと自体が異例の抜擢だったでしょうが、その能力・知識・経験をふりかえると、これほどふさわしい人選は奇跡のようにも感じられます。

 2007年、ベアテさんの講演メモ 

 2008年5月8日 ベアテさんを囲むパネルディスカッション動画(10編連続)


憲法制定過程では、「男女平等」について日本側はとても嫌がっていたようです。平等意識は占領軍によって、しかもその中のたった一人の若い女性に「押し付けられた」「みっともない」ものなのでしょうか。ベアテさん自身は、その経緯が平等に逆行する勢力に利用されることを恐れて、自分の関わりを長い間伏せていました。今も平等に反する意識や制度と闘わなければならない状態は残っています。自民党改憲草案にも、家族観などに危険な意識の復活が意図されています。




by maystorm-j | 2016-03-18 05:52 | 社会
2016年 03月 17日
3月20日(日)沖縄塾講演会「北上田毅氏/辺野古の闘いから」
辺野古の闘いは、沖縄県に続いて政府が裁判所和解案を受け入れたことから、新たな局面を迎えています。運動の中心で闘ってこられた北上田毅さんを迎えて、現状と今後の展望をうかがいます。
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by maystorm-j | 2016-03-17 07:40 | 社会
2016年 03月 13日
憲法から考える自衛権の根拠 / 軽井沢9条の会投稿の転載


「だれの子どもも殺させない」と「愛する人を守りたい」という、安保法制反対・賛成双方の「思い」について2度の投稿で考えてきました。今回の安保法制では「集団自衛権」が問題になりましたが、そもそも日本国憲法には「自衛権」という条項も言葉もありません。安倍政権は最近、解釈改憲から明文改憲へと踏み出す発言を繰り返していますが、現憲法下で自衛権はどのように考えられているのか、復習してみたいと思います。これまで長い間9条の会で活動されてきた皆様には、今さら新参者が何を?と思われるかもしれませんが、私自身の確認作業をお許し下さい。

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国連憲章との関係はとりあえずおいて、憲法との関係について考えてみます。9条の条文はシンプルなもので、そこからだけでは、武力を持って自衛する権利があると解釈するのは困難です。武力による自衛権を合憲とする考えは、多くが「第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」を根拠にしているようです。もう一つの根拠として、憲法前文から「国民の平和的生存権」が挙げられています。


参考/防衛省「憲法と自衛権」 http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/seisaku/kihon02.html


13条の文章には国民の権利を、立法・国政が最大の「尊重を必要とする」と抽象的に書かれているだけで、国民の権利を武力によって守れ、と書いてあるわけではありません。ここも解釈の余地が大きくあるところでしょう。少し長くなりますが、憲法の前文を掲載します。


 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。


ここには「平和的生存権」について、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と書かれています。どうも、政府や防衛省の解釈はつまみ食いとこじつけの感じがします。ちょっと古いのですが、伊藤真さんの「けんぽう手習い塾」の中から、学んでみました。


第56回 「憲法の観点から考える自国の防衛」 http://www.magazine9.jp/article/juku/7157/

第57回 「武力による防衛(1)」 http://www.magazine9.jp/article/juku/7154/

第58回 「武力による防衛2(文民統制について) http://www.magazine9.jp/article/juku/7151/

(最近自衛隊制服組と呼ばれる側が、政権の意向を反影してか、文民統制をはずす危険な動きを強めています)


前回の投稿でも書きましたが、憲法の前文をしっかり読み込んで、理念とその実現のための具体的な努力の方向性を議論することが重要だと考えさせられました。



by maystorm-j | 2016-03-13 08:44 | 社会