2016年 09月 24日
アベノミクスに人はなぜ騙されるのか/経済の土俵で闘う事が必要 その13
d0164519_08324991.jpg岩手県の沿岸部で、年輩の農業者による農産物を中心に産直販売所を経営する人と、ツイッター上で議論を展開しました。きっかけは、みなさん、都市から地方へ動き出しませんか?不便は、都会では手に入れられない「豊かさ」がある。もう地方でも情報は都市と同じ。』と言う呼びかけに対して、私から返信を送って始まりました。先方の書いた内容を勝手に転載するわけにはいきませんので、話の流れが解るていどの要旨(『 』内)を入れながら、私の発言を転載します。
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流入人口が多い軽井沢でも、田舎の豊かさを楽しんでいるのはリタイア組の年寄り新住民。10年で体力が続かなくなる。(流入する)若い人は都会と変わらない飲食とサービス業に集中し、特色のある製造業は衰退。働き盛り世代(35〜50歳)は、子どもの教育環境が不安。ネット人口は少なく、本屋は一軒もない。

『自然が豊かで教育環境はいいはずですが』

50年前と違い、今は大学進学が50%。二人都会の大学へ出すと、毎年500万かかる。都会と地方の所得格差を考えると、かなりきつい。親は自分の理想を求めて地方へ行っても、子どもには子どもの生き方があり、親を肯定するとは限らない。自然の豊かさは年とって判る事が多いかな。

そのまま都会にいれば(大学に)行けたのにと子どもは思う。無理をしても、こどもには(社会人になる時に)有利なスタートを切らせたいと思う親。(実情は)奨学金数百万円の借金を背負って社会人に。(働き盛り世代では)単身赴任が無難な選択。地方は生産の場より販売市場と見られがち。

『奨学金や苦学は自信につながる』

非正規雇用化が進む若い世代の就職事情では、300万円の奨学金返済はきつい。地方の工場は海外へ、地域商業から大規模流通企業の販売市場化。暮しを主導する役場も、経済を主導する地方銀行も学歴社会という構造を変えないと、新しい経済モデルが見えてこない気がします。

『起業してお金はなくとも幸せな人生。幸せの形の多様化』

都会から地方への移住。(退職金と年金のある)リタイア世代は身軽。若い世代も仕事があれば比較的自由。30代後半〜50は、都会での暮らしを続けていれ不要な苦労を、自分の幸せを求める事で子どもにかけてしまう事を躊躇する。30で信州に移住し、たくさんの起業を見てきました。


地元の人が起業する場合、周囲の関係に支えられる。それでもリスクは大きく、多数の成功例も悲惨な失敗例も見てきた。都会から移住して起業する場合、ゆとりのある高齢者は半分遊びで、若い人は儲からなくても体力で乗り切る。失敗しても転身可能。壮年期の移住起業は容易でない。


2年前の文章なので、その後変わった事もありますが、時間がありましたらご参考まで。 
http://maystormj.exblog.jp/21001859/


『信州は、いまの東北に起きていることをもう経験?』


(信州というよりは)軽井沢では人口の何倍もの購買力があるため、経済活動の様々な要素が極端に先鋭化して短時間に現れる。「幸せの形も多様化」は重要なポイント。「最大多数の最大幸福」から「多様な個人の最適幸福」へ意識を変えて、画一的大量生産大量消費から、個性的消費が主導する生産販売へ転換。


(現在の)商品経済では価値観の画一化が進む。しかし消費人口の少ない地方で、(商店に)あらかじめ多様な商品選択を用意するのは困難。多様な消費の側が最適な生産を促す、オーダー生産を含む回路が望まれる。生産販売消費を見渡せる位置にいる方々の考えを聞きたいです。


『高級品ではなく小さな農業が基本の商売。壊れた町で人がどう動くかを考える』


一人で細々続けてきた私の仕事は(農家の産直)より小さい。製品単価は高いが、上流階級には売れません。軽井沢ではほとんど売れない。客層は上が5%。中の上が15%、中の中50%、中の下25%、下が5%。かなり無理をして買っていただいている。(その客の)期待に応えられているか常に気がかり。


小規模自営業が「安かろう悪かろう」を製造・販売していては、大規模量産量販資本に太刀打ちできるはずがない。客は(価格が)高いなりの満足が持続するか、それぞれの幸せを感じられるか。個性的で高い消費の期待に応えられるのが小規模自営の強み。そのためには、スキルアップとシステム構築。


『JAの規格にあった製品を大量生産して大規模にやることは収入に繋がりますが・・・隙間の生産物や行事食、大量に生産できないものにもマーケットが』


隙間製品も行事食も狙いは正解だと思う。他にないものなら、2倍の値段を付けてはどうだろうか。農家には倍の価格でも満足するものを作る楽しさとプレッシャー。販売者にはしっかりとした情報伝達、製品説明、客の反応のフィードバックが求められる。私は一人で両方、四苦八苦の連続。


『値段を高くはできないです。ばあちゃんの作ったものを自分は作らないけれども食べたいと言うなんともいいがたい想いが産直を後押し』


今日、農協の直売店へ。スーパーより安いではなく、質の良さを期待。産直=安価では、産直店間で負のスパイラルに。農産物はもともと季節や天候で数倍の値動きがあたりまえ。安くないと売れないというのは思い込みでは。とりあえず必要な安いものと、高いが他にはない高品質の併存?


『産直では値段を決めるのは生産者、そこの意識が変わっていかないと難しいです』


エキサイティングな議論につきあってくださり、ありがとうございました。思いを言葉に紡ぎだせる人は本当に少ないです。四国の「葉っぱビジネス」が話題になった事がありました。生産者の一人の意識が変わると流れが変わるかも。


『葉っぱビジネスには開業時に注目。農家に本やDVDを紹介した』

『産直が生産者を作り出せて、生産者が売り手の意見を聞いて協力してくれる事で活性化』

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以下は、東北の同じ市内に住む年配男性(産直のお客)がツイッター上に書いた『産直は新鮮でなければだめ』という主張に対する私の返信です。


魚も野菜も、高品質高仕入れ価の品を、常時多品目揃えるのはリスクが大きい。せっかく産直は生産者・消費者双方の顔が見えるのだから、販売者を介して、「明日、AさんのXXとBさんのOOが欲しい。倍の値段で買うから最高のものを」と(消費者側から)オーダーしたらどうなるだろうか?


オーダー制作の場合、お客様の期待する以上のものを作らねばという意識が強い。展示販売品と同じ価格ではきついが、具体的希望をかなえるため、新しいデザインや機能、技術の開発につながるケースも多い。倍の値段になるなら、期待を大きく越える可能性。消費が牽引する生産


遠野の道の駅には行った。小諸の西にある「雷電くるみの里」と同じタイプ。高速のSAにも時々このタイプ。客は旅行者がほとんど。産直の生産を引っ張るのは、余裕がある地元消費者の具体的要求ではないか。退職組、学校・保育園の先生や病院・役場職員などが牽引役に。


(勤め人に帰宅時間と産直の営業時間が合わないて言う点について) 退職組はOK。勤め人はオーダーを入れて、帰りに受取る。遅い場合はロッカーに。土日もある。やりかたはいろいろ。その手間に見合う高付加価値商品が提供できるかが問題。地域の中流消費者を狙うこと。野菜宅配農家・業者はそれをこなしている。送料がかからない分、有利。


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以上、切り貼りの構成で解りにくかったかもしれません。予告なしで、いきなりの議論に適確な応答をくださいました産直経営のHさん、ありがとうございました。


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by maystorm-j | 2016-09-24 08:39 | 社会 | Comments(0)


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