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2015年 09月 06日
実らなかったゴーヤ/「軽井沢アクション」報告
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一週間ほど前12度まで下がり、その後も15度前後。仕事場の玄関横に1mほどの小さな花壇スペースがあります。引っ越してから3年は、そこにミニトマトを植えて、ほったらかしですが時々赤くなると摘んでいました。連作障害でしょうか、昨年は葉がどんどん枯れて汚くなるので、今年は朝顔とゴーヤを植えておきました。緑のカーテンが必要な場所ではないのですが、見た目は涼しげ。花も良く咲いていますが、実は一つもなりません。


ゴーヤに始めて出会ったのは20歳の頃、水俣で八百屋の店先に見慣れないものを見つけ、名前を尋ねました。レイシという答えで、ニガウリともいい、そこで見たのは熟して裂けた実の中の赤い種が見えている状態でした。40年前、小田原の近くに住んでいた頃は、時々八百屋で買って、「ゴーヤチャンプルー」という料理も知らず、そのまま直火でちょっと焦げるまで焼いて、きざんで鰹節と醤油。ちょっと顔をしかめながらも苦みと遊んでいました。焼いてきざんだ油揚げとも合います。


今回は特に収穫を期待して植えたわけでもなく、寒冷地で日当りもイマイチの場所。農協の直売所へ行けば堂々たるゴーヤが100円で手に入リます。実の色よりも鮮やかな緑の葉と、実の形状とは似合わない可憐な花を楽しんでいるだけです。


昨日5日の夕方、軽井沢町役場駐車場で安保法制に反対する集会と、町内デモがありました。8月30日に続いて2度目の集会。参加者は前回の3倍以上で、およそ100人。呼びかけ人・賛同人に前町長や区長、議員など多彩な顔ぶれがそろったこともありますが、人口2万人足らずの町としては異例の人数。リタイア新住民が多い町ですので、「お勉強型講演会」なら数百人が集まることもありますが、政治的な課題で、しかも集会参加者がほとんどそのままデモに参加したのは意外な感じです。


新住民にとっては中軽井沢商店街をぐるっと回るデモコースは、30分の短距離で、沿道の人も少なく、物足りなかったかもしれません。商店街と言っても、昔の賑わいはなく、37年前に移住してきた当時に較べても、商店の数は半分。しかし、地元民にとっては、その地区の家々ほとんどが知り合い。地元の小学校と町内一つだけの中学校に子ども二人を通わせ、様々なスポーツや文化サークルに参加してきましたので、商店街の人達は半分ぐらい長年の知り合いです。小さな町ですからお互いに名前を知らなくても、間に一人の知人を介すれば、古い軽井沢町民同士は全員がつながると思われます。


新住民には見えないところで、そんな濃密な関係性が残る田舎町の商店街をデモで歩くことは、それなりに覚悟が要る刺激的なことになります。賛同者に名前を連ねた町会議員のお店では、おかみさんが店の奥でひっそり。一軒だけ、店内で何人もが手を振っているお店は、2ヶ月に一度は買いものに訪れています。政治のことは話したことがありませんでしたが、そうだよねという感じで親父さんと握手。ピアノ教室の親子と、一般住宅の窓から手を振る人がいた以外はひっそり。国道を走る車の10台ぐらいが手を振り、一台が中指立てていました。


旧軽井沢やアウトレット街と違い、ふだんからひっそりした町ですので、反応はまあこんなものだろうと言う気がします。それでも国会や官邸周辺の集会・デモと違い、暮しの日常性まっただ中で表現することの意味は、地元常住者にとって大きいものがあります。今回、この顔ぶれの呼びかけ人と賛同人を集めた主催者側の力量に脱帽です。長年、他の場面でのおつきあいがあった方々とはちょっと意外な旧交を温め直し、新しいつながりも多少は出来て、濃密な1時間でした。

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by maystorm-j | 2015-09-06 06:15 | 社会


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