2011年 07月 07日
ベトナムから6000人規模でも原発研修生受け入れの可能性がニュースの話題になっています。外国人研修生というと、これまでもその実体は「人身売買」に等しいと問題にされる一方で、今回の震災では中国からの研修生を真っ先に高台に逃がしてから、自らは津波の犠牲になった水産加工業者のことが伝えられています。ベトナムからの研修生を、原発事故現場での危険な労働に投入するのではないかと懸念する声が多く、昨日の統合記者会見でも質問が出て、細野新大臣はそれを否定していました。 ベトナムは原発導入に先立ち、以前から海外に技術者レベルを中心に研修生を送り込んできたようです。今回はそれを原発の一般実務労働者に広げて研修するという事なのでしょう。日本側も、震災後急に出た話ではなく、以前から上級レベルの研修には取り組んできていたようです。(原子力安全基盤機構 http://www.jnes.go.jp/content/000005094.pdf#search='ベトナム 原発研修') 上級レベルの研修であれば、国民の放射能被ばくが拡大し、原発事故が収束できない現状での研修受け入れは、みごとに「反面教師」となりうる可能性もあります。いまだに神話の世界に住む原発関係官僚の鈍感さか、軌道修正不能な縦割り行政のなせることか、事故をものともせず原発輸出で儲けたい関連企業の突き上げか。しかし、一般実務労働者の研修ということであれば、原発推進がいかに国民を不幸にするかという側面は隠されてしまうのでしょう。 昨年10月にベトナムへの原発輸出が決まったときの、菅首相のはしゃいでいた様子が思い出されます。普通の生活者の感覚では、こんな事故があれば原発輸入を見直そうと思うのですが、ベトナム政府は震災の数日後にはやばやと「原発政策に変更はない」と発表しています。ベトナム側の要求を丸呑みする形で輸出が決められ、資金・人材育成・長期運転・事故や使用済み燃料処理など、多岐にわたる破格の好条件が保証されていると言われています。 昨年10月31日に書かれた「NPO法人 九州・自然エネルギー推進ネットワーク」のブログ『最悪の「原発輸出」にしがみつく民主党・東電・東芝』http://nonukes.exblog.jp/12171434/ に、その問題点が挙げられています。電力会社と関連企業を一時的に潤す原発輸出が、将来日本国民にとって莫大な負担を強いられることになる可能性は、今回の事故を見れば現実の問題であり、使用済み核燃料の処理が国内分だけでも不可能であるのに、輸出分まで国民が負担出来るわけもありません。
by MAYSTORM-J
| 2011-07-07 05:38
| 社会
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