2011年 05月 03日
国家公務員給与カットの使い道  5月3日 2011年
国家公務員の給与を1割削減すると、3000億円になるという。民主党は以前から人件費の削減をうたっていましたから、震災の復旧・復興の財源として国家公務員の給与削減が考えられるのは当然の流れでしょう。まだ政府内で検討段階であるとか、労組との交渉で5%になりそうだとか、報道にはばらつきがあって削減の内容がどうなるのかは、まだ流動的なようです。

田舎に暮らしていると、国家公務員に限らず、地方公務員や大企業社員の給料と、零細企業・民間サービス業・農業・自営業の収入に大きな開きがあると感じていましたので、その格差が縮まること自体は賛成です。もちろん、後者の低所得層の収入が上がる形で、格差が縮まってほしいところですが、この震災に関する臨時措置ということであれば、とりあえずまとまったお金が出て来る事は良しとしなければならないでしょう。

しかし、国家公務員の給与が高いとはいえ、そこから一定の割合を供出させる事は、なんだか強制カンパの感じもします。国民の一部に強制負担させることは、いかに「非常時」とはいえ、慎重に考える必要があるでしょう。国会議員が自分たちで議論して自己決定で議員歳費を削減・供出するのとは違い、上からの強制ということになります。単に復興費用が足りないから、とれるところからむしり取るというようなやり方は避けるべきです。すくなくとも、大多数の国家公務員が納得するような使い道を限定するべきではないでしょうか。

3000億円という金額は、日当10,000円ならば、のべ3000万人分に相当します。国家公務員ならその何倍かの日当をもらっていますが、田舎で役場の臨時職員としてもらえるのはそれぐらいのものです。一年間、毎日10万人の臨時職員を雇用出来ます。被災地では今もこれからも、やらなければならない仕事がたくさんあります。まだ当分瓦礫の始末を続けなければ、元の生活も産業も復旧できません。避難所から動けない人が大勢残っています。インフラの整備、介護や住民サービス。人の手が必要な仕事が無限にあるでしょう。

一方、被災者は元の仕事を再開出来ず、借金返済や人件費の支払い、首切りなどで、困窮が進んでいくでしょう。働きたい人はたくさんいます。被災地の事情、何が必要で、どうすれば必要なサービスを提供できるか、被災地の住民はよく知っていますし、田舎暮らしでは特殊な先端技術はないかわりに多様な技術を持っている人が大勢います。国家のパブリック・サーバント(昔は公僕と言いました)が、被災地のパブリック・サービスのために、給与の1割を供出するという形は、自然なものとして受け入れてもらえないでしょうか。

たびたび紹介していますIWJ(岩上安身公式サイト)に、ピースボートの現地ボランティア活動の映像が流れています。非常に効率よく、避難所で被災者の役に立っている事は理解出来ます。災害当初では、このようなボランティア活動が被災者の命と健康を守るために必要なことは確かですが、いつまでもそれでいいのでしょうか? 奉仕する人とされる人が固定化されていないでしょうか? もうすぐ2ヶ月になります。

被災者が市町村役場の臨時職員として働いて、現地で毎日10億円が支払われれば、そのほとんどが現地での消費にまわり、地元の商店や民間サービス業に循環し、さらに雇用にもつながるでしょう。都会から駆けつけるボランティアとは違い、地域の社会や経済の復活に結びつくと思われます。地方選挙が出来るのが早くても半年先、というほど地域社会が崩壊しています。その間に、東京発の復興ビジョンを押し付けるのはやめるべきです。復興委員が何日か被災地をまわって聞き取りをすれば、地方が理解出来るというような、単純でのっぺらぼうなものではありません。 地域住民自身がビジョンを持てるように、地域社会の再生にこそお金を使ってほしい。

政治家へのステップとして官庁に入る政治家2世や、給料など小遣いと思っている大金持ちがいる一方で、苦学して採用試験に通った人や何人もの介護が必要な親族を抱えている人など、国家公務員もいろいろでしょう。国家公務員が給与の一部供出ということであれば、それは様々な事情をもつ個人が負担する貴重なお金ですから、義援金と同様に使い道を限定し、それを被災地のパブリック・サービスに使うというのが、負担する側に納得してもらえる自然で有効な使い道ではないでしょうか。
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by MAYSTORM-J | 2011-05-03 06:51 | 社会 | Comments(0)


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