2011年 04月 29日
津波が福島原発事故の原因か?・・・3月11日の地震 その2  4月29日 2011年
4月2日に「3月11日の地震 その1」を書いてから一ヶ月近くが経ってしまいました。映像で見る限り、地震による家屋の倒壊はあまり見られず、津波による被害が目立つ事を書きました。その点は、福島第一原発周辺でも同様です。その結果、私たちは福島第一原発の事故が津波によって起きたとされる事にあまり疑いを持たずにここまで来ました。

地震によって外部電源(送電線から得られる通常の電気)が停まった後、津波が補助電源の発電機や燃料、配電盤などを破壊した事は確かです。その結果、原子炉を冷却するための送排水が出来ず、次々と事故は進行し現在に至ったというように捉えられています。東電も政府側も、「原発は地震に対しては正常に運転を停止したが、想定外の津波が事故の原因」と説明し続けてきました。津波の高さについては、1000年前の貞観地震を引き合いに出すまでもなく、明治の三陸津波と較べてもほぼ同等であり、はたして「想定外」というべきか疑問があります。

政府も東電もマスメディアも口を揃えて原発事故の原因を、「想定外」「未曾有」の津波と言えば言うほど、私のようなひねくれ者は疑いを強めることになります。本当に地震で原発は壊れなかったのでしょうか? 地震が起きた時に原発の建屋内にいた作業員は、内部で音がすごかったと話しているそうです。配管がぶつかり合う音か設備が落ちたりする音でしょう。本当に配管や格納容器が地震で損傷していないのなら、電源の回復が遅れても、早い時期に配管のどこかにポンプをつないで送水出来たと思われます。地震で破壊されなかったのなら、どうして別棟のタービン建屋に高濃度の汚染水がたまるのでしょうか?

この疑問について詳しく解説した文章を、前にも紹介しました田中三彦さんが月刊世界5月号に書いています。「福島第一原発事故はけっして "想定外" ではない・・・議論されない原発中枢構造の耐震脆弱性」 p134~143。 田中さんは津波と電源喪失以前に、地震の揺れによる配管の損傷で冷却剤喪失事故が起きたと推定しています。少し長くなりますが引用します。
『 結論から記せば、地震発生直後、1号機では地震時の揺れ(地震動)によってなにがしかの配管に中規模の破損または大規模の破損が生じ、そのため原発事故ではもっとも恐れられているーーしかし技術的見地からは起こるとは考えられていない、それゆえ「仮想事故」というラベル付けがなされているーー「冷却剤喪失事故」が起きたのではないかと、私は思っている。それは私がいま手にできる限られたデータからの推測ではあるが、それらのデータは1号機で冷却剤喪失事故が起きたことを強く示唆している。』

公開されているデータが「3・27 事故報告書」しかなく、そこにはなぜか地震当日のデータが含まれていないため、事故発生の原因と初期の経過が推定できないことがおおきな問題とされています。岩波の月刊世界5月号は読み応えのある内容で、連休開けになると本屋では手に入りにくくなるでしょうから、時間のある方は今のうちに、と思います。文章は3月の末に書かれたものでしょうから、現在は見解が変わっているかもしれないと思い、4月27日のテレビ番組で話している田中さんの映像を紹介します。YouTube 2編、30分弱です。「工程表」の問題点も指摘されています。




[PR]

by MAYSTORM-J | 2011-04-29 14:22 | 社会 | Comments(0)


<< 民主党に投票した人へ   5月...      エネルギー政策変換・・・住民自... >>