2011年 05月 05日
文科省のウソ・・・安全委員会発言との矛盾・・・20mSvは現行国内法違反?  5月5日 2011年
5月2日の記事で、前日1日の参議院予算委員会における、民主党 森ゆうこ議院の質疑を紹介しました。開会から2時間40分ぐらい経過したあたりですが、子どもに20ミリシーベルトまでの被曝を許容する学校再開、グランド利用の基準について、文科省と原子力安全委員会に質問しています。「安全委員会としては、子ども達に年間20ミリシーベルトを浴びさせていいとは解答していません」(斑目委員長) 「国際的基準、原子力安全委員会の助言をふまえて、・・・年間で20ミリシーベルト、毎時3.8マイクロシーベルトの基準を設定させていただいて、それ以下では安心して下さいと言っています。」(高木文科相)

4月23日の記事[http://maystormj.exblog.jp/13438073/]の最後に紹介しましたが、福島と東京のいくつかの市民団体が文科省や安全委員会を、この問題で追及しました。ほとんど何も答えられなかったため、5月2日に再度「子どもたちを放射能から守れ政府交渉」が開かれました。


この交渉開始後1時間2分ほどのところで、安全委員会の事務局から「安全委員会としては、20ミリシーベルトを基準として認めた事は一度もありません」という証言が出ます。その瞬間、横に座っている文科省の代表の困惑した顔が印象的です。「原子力安全委員会としては、年間20ミリシーベルトは許容しません」 20ミリシーベルトという考え方は、文科省側から「災害対策本部にお伺いした」という事が明らかになります。「原子力安全委員会は子どもにいくらなら安全かという事はまだ決まっていない。・・・4月9日以降、安全委員5名の他、専門委員など3名が加わり検討してきたが、(全員が)子どもが年間20ミリシーベルトということは許容出来ない(という意見)。文科省も20ミリシーベルトを基準とはしないんでしょ?」  文科省代表はあわてて、「目安であって、基準としてここまで浴びてもいいというものではない」  このやりとりは最初に書いた国会での文部科学大臣の答弁とあきらかに矛盾します。「安全委員会としては、(以前からいろいろな目安について)子どもと成人は同じ基準でいいとは言っていません」とも述べています。

さて、文科省、首相などが20ミリシーベルトの根拠としている、ICRP 2007年勧告について考えておかなければならないでしょう。

国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告(Pub.103)の国内制度等への取入れに係る審議状況について
  -中間報告-
平成22年1月   放射線審議会 基本部会

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housha/sonota/__icsFiles/afieldfile/2010/02/16/1290219_001.pdf#search='ICRP 2007年勧告'

これは昨年出された中間報告で、勧告内容を国内の制度とするための検討作業の中間報告という事がわかります。現行法令はまだ、1990年勧告に基づいているということのようです。そうだとすると、まだ国内法令として整備されていない2007年勧告の基準を適用するという事は、違法なのではないでしょうか。法律関係に詳しい方の検証を期待します。

追記
上の映像にある政府交渉の場で、1時間あたり3.8マイクロシーベルトとした基準について、地面からの土やホコリ吸引による内部被曝は平均2%と低いので無視出来るとし、食品からの内部被曝は最初から検討外とされている事を文科省は認めています。「当局は可能なあらゆる低減措置を行った上で・・・」という部分の無視などともに、ICRP 勧告の中から都合の悪い部分は無視するつまみ食いであることがわかります。

さらに、山下俊一氏など福島県のアドバイザーが、県内各地で「100ミリシーベルト以下なら安全」と講演していることについて、「それが事実なら対応する」と安全委員会は答えています。

ICRP というところはもともと原発推進側で、そこが提示する基準では健康が守られないという指摘が多く存在することは、小出さんの講演やヨーロッパでの異なる基準設定の動きなどで明らかにされています。しかし、そのICRP勧告すら都合の悪い部分は無視し、推進側学者集団と批判されている安全委員会さえ否定している安全基準を子どもに押し付けている政府とは、誰のために存在しているのでしょうか。民主党にも自民党にも投票してこなかった私にも、それらの政府が行っていることに対し一定の責任があります。少なくとも、政府や行政が、選挙権を持たない子どもに何かを押し付ける時には、その根拠の提示を求め、それを検証する責任があるでしょう。

「勧告」は国際条約ではないので、国内法に優先するわけではありません。現行の国内法は「一般人年間1ミリシーベルト」を基準としているのではないでしょうか。国内法に反する事を首相・政府・公務員が国民に押し付けるのは認められません。いつから日本は法治国家をやめたのでしょうか?

・・・・ずっとずっと昔からそうだった。ただそれに目をそらしてきただけじゃないだろうか?・・・
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by maystorm-j | 2011-05-05 22:52 | 社会 | Comments(1)
Commented by 越後屋 at 2011-05-09 11:26 x
福島大学でも「100ミリシーベルトまで安全」に声を上げています。

福島大学原発災害支援フォーラム
http://fukugenken.e-contents.biz/proposal

社会的責任のための医師の会は、年間20mSvは発癌リスクを200人に1人にまで高めると指摘
http://www.j-cast.com/2011/05/02094683.html

20mSvの被曝による癌死の確率は1000人に1人と安全委員会が認める
http://fpaj.jp/news/archives/2722


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